最近急速に人気が高まっている米国高配当株ETF投資ですが、その筆頭ともいえるのがこのVYMです。
米国高配当株投資の代名詞とも言えるETFです。
非常に評判の良いETFなのでどのようなものなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
私も勿論保有していますので、今回は保有者としての視点も踏まえ、ご紹介をさせていただきます。
「VYM」6つのメリット
分散がかなりしっかりと効いている
構成する株式銘柄数は圧巻の約400社!
優良な高配当ETFでここまで分散が効いているものはそうそうありません。
人気高配当ETFであるHDVやSPYDの分散ですら約80社にとどまることを考えると、この分散の凄さがおわかり頂けると思います。
分散は効けば効くほどリスクヘッジになります。
その反面、高配当株投資の場合、分散範囲が広範囲になりすぎると利回りが下がってしまうものです。
VYMはここまで分散をしながらも高配当が得られる超優秀な高配当ETFなのです。
セクターは以下のとおりです。
金融、消費財が多くなっていますが、全体的を通じてセクターはしっかりと分散されていますね。
続いて上位組入銘柄は以下の通り。
順位 | 保有銘柄 |
1 | Johnson & Johnson |
2 | JPMorgan Chase & Co. |
3 | Procter & Gamble Co. |
4 | Intel Corp. |
5 | Verizon Communications Inc. |
6 | AT&T Inc. |
7 | Merck & Co. Inc. |
8 | Pfizer Inc. |
9 | Coca-Cola Co. |
10 | Cisco Systems Inc. |
世界的に超有名な優良銘柄がずらりですね。
約400銘柄のうち、上位10銘柄が全体の約28%を占めています。
これだけ分散させて、配当利回りは4.26%です。(2020年4月30日時点)
コロナショックの株安もあり、4%を超えていますが、通常は3%台で推移していることが多くなっています。
キャピタルゲインも狙える
これがVYMの本当に素晴らしいところです。
高配当投資はいくらインカムゲインが入ってきても、値下がり損のほうが大きければ意味がないものです。
そういう意味では、超長期保有目的であれど値下がりしにくく、できれば値上がりが期待できる商品を保有したいですよね。
以下はVYMの2007年〜現在のチャートです。
S&P500を連想させるような右肩上がりのチャートです。
それではS&P500と比較したときにどのような感じになるのでしょうか。
S&P500には敵いませんが、高配当株ETFにしてこの値上がりは脅威的です。
正に米国高配当株投資の真骨頂がこのVYMといえるでしょう。
信託報酬が安い
経費率は驚異の0.06%です!
もう無視しても良さそうなレベルですね。
この「信託報酬が安い」というのは長期投資においてめちゃくちゃ重要な因子です。
信託報酬の重要性については以下の記事でも具体例を交えて触れていますので是非参考にしてください。
→ 投資信託を始めるならインデックスファンドをお勧めする3つの理由
信頼性の高い運用会社
VYMの運用会社は、泣く子も黙る世界ナンバーワンの運用会社「バンガード社」です。
驚くほど安い信託報酬を設定できるのも、バンガードの資金力と、顧客にとって良い商品を開発しようとする姿勢の賜物といえます。
一生を共にする可能性も十分にある高配当投資なのですから、出来る限り安心できるパートナーから優良な商品を選定したいところです。
リーマンショックを乗り越えた実績がある
以下はリーマンショック後からの回復を示したものです。
しっかりとリーマン・ショックから立ち直り、長期上昇トレンドになっていますね。
他の人気高配当ETFであるHDVやSPYDは比較的新しく、共にこのリーマンショックを経験していません。
実際にリーマン・ショッククラスの大暴落に遭遇したときに、ちゃんと立て直すのかという点は不明です。
しかしながらVYMはこれを乗り越えた実績があるので、将来同等のショックが来たときにも乗り越えられるのではないか、という期待感に繋がりますね。
増配実績がある
VYMの配当金の推移は以下のとおりです。
2010年から見ていますが、しっかりと増配傾向が継続しています。
素晴らしいですね。
VYMは増配が期待できることから、バイ・アンド・ホールド戦略でも保有株式の利回りは年々高まっていくことが十分に期待できます。
長期高配当株投資において、減配懸念が少なく増配傾向にあるということは非常に重要なポイントです。
「VYM」2つのデメリット
配当利回りはそこそこ
前述の通り、VYMの配当利回りは4.26%です。(2020年4月30日時点)
普通に高いんですが、コロナショックの影響を除くと通常は3.5%前後です。
十分魅力的な水準ではあるものの、HDVやSPYDの利回りと比較すると多少見劣りしてしまうのも事実です。
ただし増配を加味すると、将来的にどちらが配当利回りで優れているかはわからないところですので、最終的には好みの問題のような気がします。
複利効果が得にくい
これはインデックスファンドの投資信託と比較したときには全ての高配当ETFに対して言えることですね。
高配当ETFでは配当金を受け取るたびに税金がかかるため運用効率は落ちると言われています。
一方でインデックス型投資信託でキャピタルゲインを狙う際には、配当金を受け取らずに配当再投資を行うため、資金効率が最大化されます。
なので、資金効率のよいキャピタルゲイン狙いの投資に対してこのような欠点があることを認識の上、高配当株投資を楽しんでいきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
VYMは私の所有している米国高配当ETFの柱となってくれているETFのです。
なんだかんだ長期的な実績があるというバックグラウンドは絶大な安心感に繋がります。
その上で、利回りを上げるための工夫としてHDVやSPYDをトッピングしていくのがベターな戦略ではないかと個人的には考えています。
【参考】→ 米国高配当ETF「HDV」7つのメリットと3つのデメリット
【参考】→ 米国高配当ETF「SPYD」8つのメリットと3つのデメリットを紹介
早いうちから始めれば、その分増配益も大きくなるのが米国高配当株投資の楽しいところです。
是非思い立ったときに少額からでも始めてみてはいかがでしょうか?