というような方に向けて、SPYDとはどのようなETFのなのか?そしてメリットとデメリットは何なのか?を、ガッツリ解説したいと思います。
それではいきましょう!
SPYD 8つのメリット
S&P500組入銘柄で構成されている
SPYDは「S&P500 High Dividand Index」というベンチマークに連動した成績を目指す高配当ETFです。
そう、あのアメリカの主要企業を集めたS&P500に組み入れられている銘柄から選定されているのです。
高配当株というものは、いわゆる罠銘柄といったものの中には存在しており、配当は高いものの超危険な企業が中には存在することも事実です。
そのような企業を極力避けつつも高配当を維持している銘柄を選定するという意味において、このS&P500銘柄の中から選定されているという安心感はとても大きいと言えます。
一定の評価基準をクリアした優良企業からしか選びませんよ、ってことですね。
人気の高配当ETFであるVYMやHDVを凌ぐ高配当が期待できる。
SPYDの配当利回りは驚異の6.5%です!(2020年4月30日時点)
人気の高配当ETFであるVYMやHDVを圧倒する配当利回りがSPYDの最大の魅力といえます。
これだけの高配当利回りを確保しつつ分散をしようと思うとかなりの労力が必要ですが、1つの商品でそれが実現できるなんて、本当に素晴らしいですね。
長期ではキャピタルゲインもある程度期待できる
設定日からまだ日が浅く、長期のパフォーマンスは正直わかりません。
しかしながら、S&P500銘柄ということからも、長期的には右肩上がりを十分に期待できると考えても良いのではないかと思います。
そもそも高配当を狙った投資なので、キャピタルゲインはそこそこあれば良く、大きく下げないことのほうが重要です。
参考までに直近約5年のチャートは以下のとおりです。
はい、説得力ゼロですね。笑
コロナショックの大相場中なので、その辺はご了承くださいませ。。。
相場全体の下落なのであまり参考になりませんが、S&P500が長期的に順調に成長していくことを信じるならば、SPYDは比較的安心感のある投資先になると思っています。
ランニングコストが安い
総経費率はなんと驚愕の0.07%です!(2020年4月30日時点)
これはめちゃくちゃ優良です!
そして高配当株投資において超重要項目と言えます。
ここで簡単なシュミレーションをしてみます。(税金は考慮せず)
例えば高配当ETFの年間利回りが3%だった場合、経費率が1%だと実質利回りは2%になってしまいますよね。
つまり配当収入が2/3になってしまうということですね。
1000万円を投資したら年間30万円が配当収入として入り、経費の10万円が引かれて残る手取りは20万円。
経費で引かれた10万を取り返すために必要な投資額は約330万円です。
イメージ湧きましたでしょうか??
現在でも1%前後の経費率のETFは山程あります。
その中で経費率0.07%とは、超優秀なのです。
この経費率の重要性については以下の記事でも触れているので、イメージがつきにくい方は参考にしてください。
→ 投資信託を始めるならインデックスファンドをお勧めする3つの理由
分散が効いている
SPYDはS&P500の中から高配当銘柄上位80社を組み入れています。
分散という意味においては十分ですね。
そして特筆すべきは時価総額に関係なく、一定割合で均等分散しているという点です。
組入銘柄上位10社は以下のとおりです。(2020年4月30日時点)
銘柄名 | 保有株数 | 保有比率 |
Gilead Sciences Inc. | 512,531 | 2.35% |
Digital Realty Trust Inc. | 252,057 | 2.23% |
General Mills Inc. | 601,946 | 2.07% |
Crown Castle International Corp | 215,679 | 2.03% |
AbbVie Inc. | 387,039 | 1.88% |
Kraft Heinz Company | 1,063,258 | 1.84% |
Cardinal Health Inc. | 600,758 | 1.79% |
Pfizer Inc. | 812,011 | 1.79% |
Verizon Communications Inc. | 536,377 | 1.78% |
Kellogg Company | 466,305 | 1.74% |
ご覧の通り、時価総額が大きい株の保有は少なめに、小さい株は多めに保有することで、保有比率を均等に寄せているのがおわかりいただけると思います。
つまりこれは、時価総額の大きい1社2社が大きなダメージを負ったとしても、全体に与える影響は限定的になるというメリットがあります。
VYMやHDVとの相性が抜群
SPYDと同様、優秀な高配当ETFにはVYMやHDVといったものもあります。
上記ETFとSPYDの最大の違いは業種別セクターの違いにあります。
業種別セクターは以下のとおりです。(2020年4月30日時点)
業種 | 保有比率 |
不動産 | 17.34% |
金融 | 12.76% |
一般消費財・サービス | 12.23% |
生活必需品 | 11.19% |
エネルギー | 10.85% |
公益事業 | 10.56% |
ヘルスケア | 7.82% |
素材 | 6.79% |
コミュニケーション・サービス | 5.81% |
情報技術 | 4.65% |
そう、不動産セクターの保有比率が最大となっているのです。
VYMもHDVも不動産セクターは含まれておりません。
なので、分散を基本としたポートフォリオを考えた場合、VYMかHDVとSPYDのコンビはとても理にかなっていると思います。
配当利回りはSPYDが最も高いので、VYM等をベースとして、アクセントにSPYDを組み入れてみてはいかがでしょうか。
関連記事→ 米国高配当ETF「HDV」7つのメリットと3つのデメリット
少額から購入できる
基準価格は27.7ドルとなっています。(2020年4月30日時点)
30ドル程度から投資ができるので、少額からの投資を検討されている方にも取り組みやすいETFであると言えます。
信頼性の高い運用会社
SPYDはステート・ストリートという会社が運用しているETFです。
あまり聞き慣れないかもしれませんが、業界では超有名な会社です。
世界の資産運用会社として、バンガード社、ブラックロック社に次ぐNo3の超優良会社です。
会社の規模がなぜ大切なのかというと、一番大きいのは資金力があるため信託報酬を安く出来るということが挙げられます。
長期的にはさらなる引き下げなんかも場合によっては期待できるかもしれませんね。
大切な資産を預けるのですから、やはり安心できる会社を選びたいところです。
SPYD 3つのデメリット
設定日からまだ日が浅い
SPYDの設定日は2015年10月21日です。
VYMと比較するとまだまだ歴史が浅いETFです。
VYMはリーマンショックのような大暴落を乗り越えて長期的に良好なパフォーマンスが示されていますが、SPYDはにはそういったエビデンスがないのが欠点といえるでしょう。
現在コロナショックで絶賛下落中ですので、今後の動きに注目していきたいところですね。
暴落では大きく下落し、回復に時間がかかる。
コロナショックはSPYDにとって初の大暴落といえる大相場でした。
相場全体の暴落とともにSPYDも大きく価格を落としましたが、相対的にみるとどうでしょうk。
青がS&P500、オレンジがSPYDのチャートです。
約5年のパフォーマンスを比較しています。
縦軸(価格)が違うものを比較しているので見方に注意してくださいね。
青のS&P500は過去5年堅調に上昇、コロナショックで下落後、半値程戻しています。
一方オレンジのSPYDは過去5年の上昇も穏やかで、コロナショックの下落幅はS&P500よりも大きく、回復も遅めです。
長期的なパフォーマンスはやはりS&P500には大きく劣ります。
S&P500連動投資信託と比較すると資金効率は悪い
これは高配当株投資に一般にいえることですが、毎回配当金を得るということはその都度税金を支払っていることになります。
これは複利の効果を弱める方向に働きます。
S&P500に連動する投資信託等の場合は配当を受け取らずに再投資を自動化出来るため、都度税金がかからずに複利効果を最大化できるメリットがあります。
ただ、そもそも配当金狙いの投資をする上では避けて通れない問題なので、これは気にしても仕方がないと思います。
SPYDはどんな人におすすめできる?
以上のことから、SPYDは以下のような人におすすめできるETFではないかと思います。
- キャピタルゲインよりインカムゲインを重要視する人。
- ポートフォリオの配当利回りを高めたい人。
- VYMやHDVのみで高配当投資をしている人。
- 米国経済が長期的に成長すると考えている人。
まとめ
いかがでしたか?
メリットとデメリットをご理解頂いた上で、納得できるETFであれば是非ポートフォリオの一角として検討頂ければと思います。
因みに私もこのSPYDは保有しています。
他の人ってどんなふうにポートフォリオ組んでるの?と気になる方は、良ければ以下の記事も参考までにご一読いただければと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは!