米国高配当ETFを検討する際、VYMにするかHDVにするか悩む人も少なくないですよね。
この両者は共に優れた米国高配当ETFと言えると思います。
この記事を読むことで、HDVの良い点と悪い点を一通りおさえることができます。
それではさっそくいきましょう!
HDV 7つのメリット
好財務・好業績の企業で構成されている
HDVはモーニングスター配当フォーカス指数に連動した成績を目指す高配当ETFです。
選定基準として財務健全性が高く、持続的に平均以上の配当が期待できる銘柄が厳選されています。
高配当投資を実践する上で、企業業績が安定していることと安定した配当が期待できること、更には増配が期待できることはとても重要です。
HDVでは減配が懸念されるような財務状況の悪い会社は選定されにくいことからそのような懸念が少ないです。
この点がVYMと大きく異なる点です。
組入上位10社は以下のとおりです。(2020年4月30日時点)
銘柄名 | 業種 | 保有比率(%) |
---|---|---|
EXXON MOBIL CORP | エネルギー | 10.15 |
AT&T INC | 通信 | 8.43 |
JOHNSON & JOHNSON | ヘルスケア | 7.39 |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | 通信 | 6.9 |
CHEVRON CORP | エネルギー | 6.8 |
PFIZER INC | ヘルスケア | 6.38 |
CISCO SYSTEMS INC | 情報技術 | 4.38 |
MERCK & CO INC | ヘルスケア | 4.09 |
PEPSICO INC | 生活必需品 | 3.6 |
COCA-COLA | 生活必需品 | 3.55 |
超有名企業がズラリですね。
このようにHDVは財務優良企業を厳選して組み込まれていることが強みと言えます。
配当利回りはVYMを凌ぐ
配当利回りは驚きの4.68%!(2020年4月30日時点)
優良企業を選別したうえでこの配当利回り水準はかなり魅力的ですね。
ディフェンシブ銘柄構成であり、ある程度暴落耐性もあるため、株価下落時には一時的にVYMよりも利回りが下がることもありますが、基本的にはHDVの方が高配当利回りを示していることがほとんどです。
値上がり益も期待できる
S&P500には敵いませんが、値上がり益も十分に期待できるETFです。
コロナショックで一時的に暴落していますが、2012年以降の株価推移は堅調に上昇トレンドが継続しています。
インカムゲインのみならずキャピタルゲインも十分に期待できるETFといえます。
信託報酬が安い
経費率は0.08%!!
超激安ですね。
高配当投資は超長期投資になることが多いと思いますが、そうなると「かなり」重要な要素になるのがこの信託報酬です。
0.08%でも1%でも誤差範囲でしょ?と思われた方いますか?
信託報酬の重要性とインパクトについては以下の記事でも触れていますので、良ければ参考にしてください。
→ 投資信託を始めるならインデックスファンドをお勧めする3つの理由
必要十分の分散が効いている
このETFは75社に分散投資をしています。
分散投資を考える上では十分と言えるレベルですね。
高配当投資で気をつけたいところは、配当利回りが高い一方で会社としての財務状況が不健全なケース。
しかしHDVは財務良好な企業を集めた75社に分散投資をしているため、中長期的に見た際の安定感に期待が持てます。
SPYDとの相性がバツグン
不動産セクターを筆頭セクターとするSPYDとの相性は抜群です。
HDVのセクター構成は以下の通り。(2020年4月30日時点)
セクター | 保有比率(%) |
---|---|
エネルギー | 26.16 |
ヘルスケア | 20.79 |
通信 | 15.74 |
生活必需品 | 9.37 |
公益事業 | 8.87 |
情報技術 | 7.54 |
金融 | 5.86 |
資本財・サービス | 3.2 |
一般消費財・サービス | 1.22 |
キャッシュ、デリバティブ等 | 0.6 |
SPYDの上位3セクターは不動産、金融、一般消費財・サービスです。
HDVとセクターと上位セクターが重複しておらず、相互補完的なETFであることから、相性はとても良いと考えられます。
相性抜群のSPYDについては以下の記事で詳しく解説しています。
→ 高配当ETF「SPYD」8つのメリットと3つのデメリットを紹介
信頼性の高い運用会社
HDVはブラックロックという会社が運用しています。
この会社は世界的に超有名で、バンガードに次ぐ世界2位の資産運用会社です。
資金力があるからこそ、激安の信託報酬が実現されています。
どこぞの無名の会社の商品だけど大丈夫??って類の心配は全く無用ですね。
HDV 3つのデメリット
組入上位銘柄の比率がやや高め
組入銘柄は前述のとおりですが、トップのエクソンモービル1社で全体の約10%を保有比率を占めています。
上位5社で約40%を構成しています。
75社に分散されている点は評価できますが、やや上位組入銘柄の加重が重い印象は否めません。
上位銘柄が大コケした場合は、ある程度のパフォーマンスへの影響は覚悟したほうが良いかもしれませんね。
アクティブ運用的要素が強い
一方で大コケした企業を放置しないというのもこのHDVの特徴の一つ。
銘柄の入れ替えが割と頻繁に行われています。
将来危ういと判断された企業は除外される為、安心感にも繋がる要素ではあります。
一方で、その判断基準は明確な線引が公開されているわけではなく、競争優位性、不確実性、財務健全性、平均以上の配当といった要素を総合的に判断し選定しているようです。
このことからも、どちらかというとアクティブ運用の要素が強めと言えるでしょう。
一般に長期運用ではアクティブ運用はインデックス運用に勝る確率は低い、というデータが出ていますので、この辺は不安要素と捉える人もいるようです。
但し、設定来パフォーマンスはとても良好な成績を残しているETFなので、そこまで気にする必要もないような気がします。
アクティブ運用とインデックス投資についての解説は以下の記事で解説しています。
→ 投資信託を始めるならインデックスファンドをお勧めする3つの理由
リーマンショックは経験していない
HDVの設定日は2011年なので、リーマンショックは経験していません。
なので、リーマンショッククラスの暴落にどの程度の耐性があるのかはわかりません。
但し、コロナショックにおいてはS&P500と比較しても遜色のない価格の戻しを見せています。
ディフェンシブ銘柄を集めているということもあり、暴落に決して弱いことはなさそうですね。
HDVはどんな人におすすめできる?
以上のことから、HDVは以下のような人におすすめできるETFではないかと思います。
- インカムゲインのみならずキャピタルゲインにも期待する人
- VYMより少しでも利回りを高めたい人
- SPYDと相性の良いETFを探している人
- 米国経済が長期的に成長すると考えている人
まとめ
いかがでしたか?
HDVは多くのメリットがあるETFですが、頑張ってデメリットに関しても絞り出してみました。
現在存在する高配当投資の選択肢の中でも優良な選択肢の一つであることは間違いないと思います。
因みに私もこのHDVは保有しています。
ポートフォリオの一例として参考にしていただけそうでしたらこちらの記事もご一読頂ければと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは!